ご 挨 拶
皆様、こんにちは。青田学園理事長であり、わかば幼稚園園長の守本朋子です。子どもたちからはともこ先生と呼ばれています。子どもたちの笑顔を元気の源に、日々過ごしております。
わかば幼稚園は昭和36年に精明村の村長であった祖父、青田圭介が創立しました。飯能市の東の端っこに位置し、豊かな自然に囲まれながら、めいっぱい身体を動かして心身を鍛える保育を行っております。平成13年に法人化し、学校法人青田学園わかば幼稚園となりました。
自分が幼い頃は出勤する父(前園長)の背中を追いかけ、満3歳で入園、降園後は幼稚園が遊び場でした。先生たちが次の日の準備をする様子や、職員室での話し合いの様子、お手紙を作ったり、色画用紙を切っている姿などを見ていました。月日が流れ、このわかばで保育に携わり、今は理事長という立場です。
私が育った昔と比較すると、保育の考え方や方法論、社会環境、人々の生活様式は変化しています。それに伴い、今の社会における子どものより良い成長とは何か、幼稚園という場所が保護者の皆様、ひいてはご家庭にとってどんな役割があるのか、常に考えなければなりません。
自分が子どもだったら、何が嬉しいだろう?何にわくわくするだろう?と同じ目線に立ち、同時に自身の子育てを振り返って、保護者の方には何が良い園生活なのだろう?と試行錯誤の毎日です。わかばでしかできない、わかばならではの体験。「幼稚園が楽しい!好き!」と親子で言っていただけるような、多くの機会を提供してゆかなければと考えております。
「三つ子の魂百まで」という言葉があります。幼児期こそが、その子の人格形成の重要な時期であり、その子の今後の生き方を決めることを表していると解釈しています。保育方針「明るい子ども・考える子ども・我慢強い子ども」を踏まえ、幼児期に様々な種まきをし、見えない力である非認知的能力を育てることが必要なことだと考えております。その子が成長した際には種をまき、培ったものが芽吹き、伸び伸びと育って豊かな人生になるようにしていきたいと思います。

幼い頃は父の膝に座り、毎晩寝る前に絵本を3冊読んでもらっていました。本を通して様々な世界を知り、文字を読み、理解し、内容を想像するのが楽しみで、人の有り様や心の機微、異文化の知識など、多くのことを学びました。今も図書館に住みたいくらい本が好きです。本から広がる未来を子どもたちにも知ってほしいと思い、その基となる絵本にたくさん触れる機会を作っています。
野菜作りも父譲りの趣味で、畑を耕し種をまき、苗を育て、草むしりを行い、野菜を収穫する体験は得難いものです。自分の行動が直に返ってくる、でも自然って思うとおりに行かない、だから楽しいのです。昨今は土に触れる機会が少なくなっていますが、人間は生き物として土から離れた生活はできません。土の感触、匂い、お日様や雨の恵みを感じ、自然の力を体験できる畑の活動は、子どもたちの成長過程において、楽しさと自然の強さを知ることができる貴重な時間です。
そして、運動は苦手です。でも体操の時間の子どもたちは楽しそうで、少し大変なことにも挑戦するし、頑張ってできた!という笑顔を見せてくれます。成功しなくても、小さな体で挑戦する姿には声援を送りたくなります。そんな姿を見てきたおかげで、少しだけ運動することに前向きになれました。
不思議なものです。保育の中でこれも伝えて、それも教えたい、こう援助しようとしながら、実はこちらも子どもたちからたくさんのものをもらっています。幼児期は人間の根幹にかかわる大切な時です。そのお子さんの大事な瞬間に寄り添える機会をいただけて、有り難いことだと常々感じています。共に生き、共に笑い、共に育つ。これこそが幼児教育の醍醐味ではないでしょうか。

学校法人青田学園は、わかば保育園の1、2歳児からわかば幼稚園の5歳児までの、継続した保育の中で人間形成を担います。このわかばで過ごす時間が、園児とそのご家族の皆様、そして職員の方たちにとって、何物にも代えがたい時間となるよう、日々精進してゆきたいと考えております。
理事長/わかば幼稚園園長 守本朋子